報告
入来花水木会  
令和4年度第一回目
「県の景観アドバイザー制度による入来麓の視察」の実施結果
              日時 : 2022年9月25日(日) 10:00~ 12:00
              アドバイザー : 平 瑞樹氏(鹿児島大学農学部農林環境科学科助教)
              参加者 : 入来花水木会員9名
樋脇川の河川敷に、釣り堀、イベント舞台などをつくろうとする開発の動きがあるようなので、河川流域の生態系保全、自然環境保全および入来麓の観光まちづくりという観点から、樋脇川の河川敷の在り方はどうあったらいいのか、昨年度に引き続き、令和4年度の第一回「県の景観アドバイザー制度による入来麓の視察」を実施した。
 
9月25日(日)午前10時より11時まで、下図に示すルートで樋脇川を視察して回った。11時から12時まで、入来院重朝さん宅で、座談会形式で平先生のお話を伺った。
 
座談会では、平先生がスイス連邦チューリッヒ州に6ヶ月間留学されたとき体験され実感させた、自然再生プロジェクト、環境へ配慮した都市づくりや農林行政などについてのお話があった。その中で『環境に配慮した川づくり』に関して、下記のような『近自然河川工法』についてのお話をあった。
 
(1)『近自然河川工法』とは、川のダイナミックス(川の元気さ:浸食・堆積・洪水の可能性)とモルフォジ
  ー(川の形:瀬・淵・洲等)をうまく利用した本来の河道を取り戻す工法である。
(2)人間の行為によって、川が狭めたこと、川を直線化したことが洪水による大被害の原因だという指摘があ
  る。
(3)大洪水が、窮屈なコルセット(コンクリートや石で建設された強固な堤防や護岸)だけでは収まり切れ
  ず、破堤を引き起こし、かつては氾濫原であった場所(現在は人間が住む地区)に押し寄せた例がある。
(4)昔は至る所に存在した遊水空間が窮屈な堤防ができたことで失われ、放水路化させた河道では、洪水の
  危険性が高まっている。
(5)川により多くの自由、つまり空間を返すことで川本来の機能を回復し、取り戻す取り組みが大事である。
 
(文責 : 入来花水木会事務局、2022.10..01) 


視察ルート
樋脇川の視察   樋脇川の視察



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